目録・道歌等 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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新影流 秘傳之書 ※(影)は影流の業も併伝 | |
※目録順序、漢字表記は伝書に従った。 | |
三学之巻(太刀数 五・序の太刀也) | |
一刀両断 斬釘截鉄 半開半向 右旋左転 長短一味 |
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九箇必勝之巻(太刀数 九・破之太刀也) | |
必勝(影) 逆風 十太刀 和卜 捷経(影) 小詰 大詰 村雲 八重垣 |
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高昇之巻(太刀数 五・破之太刀也) | |
小陰(影) 徹底 月影(影) 賢行(影) 松風 |
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天狗抄 秘伝之巻(太刀数 八・破之太刀也) | |
花車 明身 善待 手引 乱剣 二具足 打物(影) 二人懸 |
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位詰之巻(太刀数 八・急太刀也) | |
晴勝 磯波 岩砕 高波(影) 残心 添截乱截 高上 陰見(影) |
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猿飛目録(太刀数 八・急之太刀也) | |
猿飛(影) 燕飛 山陰(影) 月陰(影) 浮舟(影) 浦波(影) 折甲 刀棒(影) |
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極意之巻(太刀数 十・破之太刀也) | |
乱勝 釣旭(影) 雲載(影) 手留 曲勝 雲光 清月 曲勢 手縛 無二剣 |
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秘太刀之巻 | |
青嵐 破軍 猿廻(影) 紅葉 虎飛(影) 電光 活人剣 |
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観念之巻 | |
観念 神妙剣(影) 三光之利剣 他、口伝多々有 |
基本刀法 | |
試太刀 斬業 正中一文字 横一文字 截伏 横一文字 紫電 雁落 十文字卍巴 前後右袈裟左袈裟 突業 伏突 横一文字 截伏 前突 行違 雁落 左右突 伏突 前突 後切 伏突 横一文字 截伏 詰業 行違 追詰 四方詰 八方詰(残心有り) |
免状 |
目録 奥入 初伝 中伝 初免許 奥伝 准師 奥免許 師範 免許 皆傳 免許皆傳 |
道歌(百足伝) |
稽古には清水の末の細々と絶えず流るゝ心こそよき。 夕立のせきとめかたきやり水はやがて雫もなきものぞかし。 うつるとも月も思はずうつすとも水も思はぬ猿沢の池。 幾千度闇路をたどる小車の乗り得てみれば輪のあらばこそ。 稽古には山沢河原崖や淵飢えも寒暑も身は無きものにして。 吹けば行く吹かねば行かぬ浮き雲の風にまかする身こそやすけれ。 山河に落ちて流るゝ栃殻も身を捨てゝこそ浮かむ瀬もあれ。 わけ登る麓の道は多けれど同じ雲井の月をこそ見れ。 兵法は立たざる前に先づ勝ちて立会てはや敵はほろぶる。 体と太刀一致になりてまん丸に心も丸にこれぞ一円。 稽古にも立たざる前の勝ちにして身は浮島の松の色かな。 曇なき心の月の晴やらばなす業々も清くこそあれ。 軍にも負勝あるは常のことまけてまけざることを知るべし。 とにかくに本を勤めよ末々はついに治るものと知るべし。 兵法の奥義は睫の如くにて余り近くて迷こそすれ。 我流をば使はゞ常に心また物云ふ迄も修行ともなせ。 我流を使いて見れば何もなくして勝つ道を知れ。 兵法の先は早きと心得て勝をあせって危うかりけり。 兵法は強きを能きと思いなば終には負けと成ると知るべし。 兵法の強き内には強味無し強からずして負けぬものなり。 立合はゞ思慮分別に離れつゝ有るぞ無きぞと思ふ可らず。 兵法を使へば心治まりて未練のことは露もなきもの。 朝夕に心にかけて稽古せよ日々に新たに徳を得るかな。 長短を論ずることをさて置きて己が心の利剣にて斬れ。 前後左右心の技直ならば敵のゆがみは天然と見ゆ。 雲霧は稽古の中の転変ぞ上は常住める月日ぞ。 兵法は行衛も知らず果てもなし命限りの勤めとぞ知れ。 我流を教へしまゝに直にせば所作鍛錬の人には勝べし。 麓なる一木の花を知り顔に奥にも未だ見ぬ三芳野の春。 目には見えて手には取られぬ水の中の月とやいはん流儀なるべし。 心こそ敵と思いてすり磨け心の外に敵はあらじな。 習うより慣るゝの大事願くは数を使ふにしくことはなし。 馴るゝより習うの大事願くは数も使へよ理を責めて問へ。 屈たくの起こる心のいづるのはそは剣術になると知るべし。 世の中の器用不器用異らず只真実の勤めにそあり。 兵法をあきらめぬればもとよりも心の水に波は立つまじ。 剣術は何にたとえん岩間もる苔の雫に宿る月影。 性を張る人と見るなら前方に物争いをせぬが剣術。 兵法は君と親との為なるを我が身の芸と思ふはかなさ。 一つより百まで数へ学びてはもとの初心となりにけるかな。 |
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